HYBEは4,000億ウォン(約437億円)の負債の早期返済を求められており、その額を補うために新たな債券を発行する予定です。
韓国の毎日経済ニュースが10月10日に報じたところによると、2021年に発行されたHYBE転換社債4,000億ウォン相当を保有する投資家のほぼ全員(99.95%)が早期返済を選択しており、HYBEは11月5日までに現金を用意しなければならない状況です。
例えるなら「高い利子の借金の返済を迫られている状況」でしょうか。
HYBE 「財務状況は非常に健全」
最近行われた社内タウンホールで、HYBEのCEOに就任したイ・ジェサン氏は、同社の財務状況に関する懸念を払拭する声明を発表しました。allkpop.comの報道によると、イ・ジェサン氏はスタッフに対し、同社には「1.2兆ウォン(約1,313億円)の現金資産があり、財務状況は非常に健全だ」と語りました。
この際、イ・ジェサン氏は「信じて待てば一つひとつ糸のもつれがほどけていくところを目撃するだろう」と述べています。つまり、現状はもつれている(うまく行っていない)状況と解釈できます。
HYBEの最新の半期報告書によると、2024年6月30日時点で、同社は現金および現金同等物が3214億5000万ウォン(約351億円)、その他の流動資産が7531億ウォン(約824億円)で、合計約1,175億円となっています。同社はまた、流動負債が7142億2000万ウォン(約781億円)であると報告しています。
状況打破のため、新たな債権を発行
HYBEは債券の返済に充てるために現金を取り崩す予定ではなく、新たな債券発行で借り換える予定です。
HYBEが韓国の企業文書保管機関DARTに提出した文書によると、同社の取締役会は、木曜日(10月17日)に一般公開される予定の4,000億ウォンの転換社債の新規発行を承認しました。これは「第3回転換社債の全額の早期返済のため」です。
以前の転換社債と同様に、これらの転換社債の利率は0%、転換価格は21万8,000ウォンで、HYBEの現在の株価の約20%のプレミアムとなります。この債券は2029年10月17日に満期を迎えます(つまり、HYBE株に転換可能になる)。
債券保有者は2027年10月17日から早期償還(今回ほとんどの債券保有者が選択した選択肢)を請求できます。
この状況を打破するには債券を保有者にとって魅力的な内容にしなければなりません。HYBEにとっては不利な状況で債券を発行したと思われます。例えるなら「さらに高い利子で借金をして過去の借金の返済に充てる」でしょうか。
HYBEだけではない K-POP市場全体が落ち込み
HYBEの株価について、HYBE傘下のレーベルADORの元CEOであるミン・ヒジン氏との公の論争などの要因により、今年に入って株価が25%以上下落しています
この激しい対立の中、HYBEは第1四半期の収益が期待外れで、収益は前年比12.1%減少したと報告しています。 HYBEは、この下落の原因として、メンバーが兵役に就いているBTSの活動休止が続いていることを挙げています。
HYBEは第2四半期の利益が回復し、過去最高の売上高6405億ウォン(約700億円)を報告しました。(前年比3.1%増、前四半期比77.5%増)
その結果、HYBEの株価は一時的に上昇したに過ぎませんでした。
市場価値の低下は、今年、K-POP業界全体の問題となっています。一般的にHYBEに次ぐ2番目に大きいK-POP企業とみなされているSMエンターテインメントの株価は、年初から30%近く下落、JYPエンターテインメントの株価は、年初から半減しています。
・HYBE転換社債の償還期限迫る 3,243億ウォン(約350億円)支払予定 資金繰りの行方は
コメント