ミン・ヒジン氏、パン会長の“IPOなし発言”の虚偽を裁判で証拠提出

HYBEのパン・シヒョク氏は、2019年にADORの元CEOミン・ヒジン氏を採用した際、「IPO（株式公開）の計画はない」と明言していたことが明らかになりました。

報道によると、ミン氏は「2019年1月に契約について会った際、パン会長から『IPOの計画はない』と言われ、株式より現金インセンティブの方が良いと提案された」と証言しています。ミン氏はこの発言を信じて契約にサインし、同年7月にBig Hit Music（現HYBE）の最高ブランド責任者（CBO）として入社しました。この証言は、株式購入オプションをめぐる訴訟で証拠として提出され、9月11日にソウル中央地裁で審理されました。

問題の発言は、パン氏の側近が投資家向けに設立したプライベート・エクイティ・ファンド（PEF）の運用会社が設立されるわずか3か月前のことでした。このファンドはIPOによる利益獲得のみを目的とした「計画型ファンド」と疑われています。

実際、ファンドは設立2か月後の2019年6月に、HYBE共同創業者兼執行副社長のチェ氏から250億ウォン（約1,870万ドル）相当の株を取得開始。当局は、パン氏の「IPO計画なし」の主張に基づき、初期投資家が割引価格で株を売却した可能性について捜査中です。

2020年10月のHYBE IPO後、このファンドは株を大量売却し、約10倍の利益を獲得しました。この過程で株価は1週間で最高値から60％近く急落し、個人投資家に大きな損失が生じました。売却益の約30％、推定4,000億ウォン（約3億ドル）がパン会長の手に渡ったとされています。この利益を保証する「アーンアウト契約」はIPO時に韓国証券取引所に報告されていませんでした。

一方、HYBEは2019年9〜11月にIPO関連の正式手続きを開始しており、指定監査人も選任済みです。複数のIPO経験を持つ会計士は「IPOを正式に開始するには少なくとも1年の準備が必要。指定監査人が2019年11月に選任されたことを考えると、HYBEはそれ以前からIPO計画を持っていたと推測できる」と指摘しています。

HYBE側は「2019年初頭にはIPO計画はなく、準備が本格化したのは同年末」と主張。一方、パン会長側は「ミン氏との個人的会話であり、会社レベルで確認できるものではない」と述べています。

警察は今年6月にソウル取引所を家宅捜索、先月にはHYBE本社も家宅捜索しました。金融委員会傘下の証券先物委員会は7月、パン会長を不公正取引の疑いで刑事告訴。現在、特別司法警察部隊が捜査を行っています。パン会長側は「IPOは法令を遵守して行われた。捜査には全面協力する」とコメントしています。

ネットユーザーの反応